近江鉄道700形「あかね号」の逸話:西武の通勤車が奇跡の大変身!技術者が夢を乗せた「魔改造」の全貌と受け継がれるDNA

※車両画像はイメージです。実車両とは異なることがあります。

近江鉄道700形「あかね号」の逸話:西武の通勤車が奇跡の大変身!技術者が夢を乗せた「魔改造」の全貌と受け継がれるDNA

滋賀県の東部をのんびりと走るローカル線、近江鉄道。
そこに、かつて「本当にこれが古い通勤電車なの!?」と、乗客や鉄道ファンをあっと驚かせた伝説の車両がいました。

それこそが、今回ご紹介する近江鉄道700形「あかね号」です!

「あかね号」という愛称を聞くだけで、なんだか夕暮れ時の美しい情景が目に浮かぶようですよね。
実はこの車両、もともとは大手私鉄の西武鉄道で大活躍していた、ごく普通の通勤電車だったんですよ。

それを近江鉄道の技術者たちが、まるで魔法をかけたかのような劇的ビフォーアフターで、流線型のスタイリッシュな観光電車へと生まれ変わらせたのです!

この記事では、近江鉄道700形「あかね号」の誕生に隠された熱いドラマから、ローカル線ならではの運行時のエピソード、そして2019年の引退後に今もなお受け継がれているそのDNAまでを、余すことなくお届けします!

当時を知る方も、これから近江鉄道を旅してみたい方も、技術者たちの情熱が詰まった奇跡の物語をぜひ楽しんでいってくださいね!

【導入】滋賀の田園風景を彩った、忘れられない名車の記憶

かつて滋賀県の緑豊かな田園風景や、のどかな山あいを背景に、ひときわ目を引く美しい電車が走っていました。
気品漂うアイボリーの車体に、燃えるような「あかね色」と、すっきりとしたブルーの帯をまとったその姿。
それこそが、近江鉄道の誇る看板列車、700形「あかね号」でした!

「あかね号」が通り過ぎるたび、沿線の人々は思わず足を止め、その美しい流線型のフロントマスクに見惚れたものです。

車内に一歩足を踏み入れれば、そこはまるで別世界。
大きな窓から差し込む柔らかな光と、ゆったりとしたシートが、日常の移動を特別な旅へと変えてくれました。

通学中の高校生たちにとっても、「あかね号」がやってくる日は、ちょっとしたラッキーデーだったんですよ!

そんな「あかね号」は、地元の方々や鉄道ファンから絶大な人気を集め、まさに近江鉄道の「顔」として君臨し続けました。
2019年5月に、多くのファンに惜しまれつつ現役を引退してしまいましたが、その輝きは今でも私たちの心に鮮烈に残っています。

まずは、そんな「あかね号」の現役時代の美しく力強い走り、そしてラストランの感動を、こちらの映像でじっくりと振り返ってみましょう!

【誕生の背景】なぜ地方のローカル線に、これほど豪華な車両が必要だったの?

さて、ここで一つの疑問が浮かんできませんか?
「どうして、のどかな地方ローカル線である近江鉄道に、これほど気合の入った豪華な観光用車両が必要だったのだろう?」と。

これには、当時の近江鉄道が直面していた大きな「岐路」と、ある記念すべき大きな節目が深く関係していたんですよ!

時は1990年代後半。
日本全国の地方私鉄と同様に、近江鉄道もまた、マイカーの普及(モータリゼーション)や沿線人口の減少という厳しい嵐にさらされていました。
「このままではいけない、何か沿線の人々に夢を与え、遠方からもお客さんを呼び込めるような起爆剤が必要だ……!」
関係者の皆さんは、そんな強い危機感を抱いていたのです。

そんな中、近江鉄道にとって大きな2つの記念イベントが重なることになりました。
それが、以下の2つです!

  • 近江鉄道開業100周年(1896年の創立から100年を迎えた記念)
  • 八日市駅の新駅舎完成(沿線の中心的な駅が新しく生まれ変わる節目)

「この100周年という記念すべきタイミングと、新しい駅舎の完成を祝して、近江鉄道の未来を象徴するような、まったく新しい看板列車を作ろう!」
この熱い想いから、新車両のプロジェクトがスタートしたのです。

しかし、当時の近江鉄道には、完全な新車をゼロからメーカーに発注するほどの潤沢な予算はありませんでした。
そこで、親会社である西武鉄道から譲り受けた中古車両を改造することになったのですが、ここから技術者たちの途方もない挑戦が始まることになります!

【開発秘話】これぞ究極の「魔改造」!技術者さんが起こした奇跡のドラマ

「お金がないなら、自分たちの手で最高の電車を作ればいい!」
そう言わんばかりに立ち上がったのが、近江鉄道の誇る「彦根工場」の技術者さんたちでした。

この彦根工場、実は業界内では「何でも自分たちで作ってしまう、ものすごい職人集団」として知られていたんですよ!

そんな彼らが「あかね号」のベース(種車=改造元の車両)として選んだのが、西武鉄道からやってきた「西武401系」という電車でした。
鉄道ファンの皆さんならよくご存じの、1960年代に製造された黄色くて四角い、実用性重視の3ドア通勤電車です。


「あの無骨な通勤電車から、どうやって流線型のスタイリッシュな観光電車を作るの!?」と、誰もが耳を疑ったことでしょう。

ここから、近江鉄道の歴史に深く刻まれる、前代未聞の「魔改造」が始まります!

ちなみに「魔改造」とは、元の姿からは想像もつかないほど、劇的かつ魅力的に改造することを指すネットスラングですが、この700形こそまさにその先駆けだったと言えますね!

前面デザインを丸ごとカット!職人技の流線型フェイス

まず技術者さんたちが手をつけたのは、電車の「顔」である前面部分でした。

もとの四角いお面をバッサリと切り落とし、なんと鋼板を一枚一枚、手作業で叩いて曲げながら、緩やかな流線型のフロントガラスを持つ新しい顔を作り上げたのです!

現在のような3Dプリンターや高度なプレス機がない時代、まさに職人さんの勘と経験だけが頼りの作業でした。

さらに、運転席からの展望を良くするために、フロントガラスを大きく傾斜させ、下部にはお洒落な丸型ライトを配置しました。
できあがったその顔立ちは、もはや西武時代の面影を1ミリも感じさせない、洗練された表情に仕上がったのです!

3ドアから2ドアへ!窓割りまで変えてしまった大手術

「観光列車なら、お客さんに外の景色をゆっくり楽しんでもらいたい」
そう考えた技術者さんたちは、車体の側面にも大胆なメスを入れました。

もともと3つあった乗降用のドアのうち、中央のドアをすっぽりと塞いで2つドアに変更したのです!
ドアを塞いだ部分には、他の窓よりも一回り大きな「展望窓」を新たに設置しました。

これにより、車内からの見晴らしは抜群になり、外観もまるでお召し列車のような優雅さを醸し出すことに成功したんですよ!

しかし、単にドアを塞ぐだけでは、車体の強度が落ちてしまいます。
技術者さんたちは、目に見えない車体の骨組み(フレーム)から補強を施し、安全性を徹底的に確保しました。

これほどの大規模な改造を、メーカーではなく、自社のローカル線工場で行ってしまったというのですから、本当に驚きですよね!

内装へのこだわり!誰もが驚いた「転換クロスシート」の採用

外見だけでなく、車内も妥協は一切ありませんでした。

もともとのロングシート(窓を背にして座る長いベンチシート)をすべて撤去し、なんと進行方向に向けて座れる「転換クロスシート」をずらりと配置したのです!

このシートは、乗客自身がシートの背もたれをパタンと前後に動かすことで、好みの向きに変えられる優れものです。
関西の大手私鉄の快速電車などでよく見られる、あの憧れのシートですね!

「これ、実は新しく買ったものではないんですよ」と、当時の担当者さんがニヤリと笑う声が聞こえてきそうです。
なんとこのシート、他社で廃車になった特急電車の座席などを再利用(リサイクル)したものだったのです!

限られた予算の中で、知恵と工夫を絞り出し、乗客に「プチ旅行気分」を味わってもらおうとする温かいおもてなしの心が、この座席一つにもギュッと詰まっているのですね!

【運行時の逸話】「あかね号」が走る!現場と乗客が織りなした愛の物語

1998年6月、ついに完成した近江鉄道700形「あかね号」は、盛大な拍手に包まれてデビューを果たしました!

公募によって選ばれた「あかね号」という愛称は、万葉集に登場する額田王(ぬかたのおおきみ)が詠んだ有名な歌、
「あかねさす 紫野行き 標野行き 野守は見ずや 君が袖振る」
にちなんで名付けられました。

八日市線沿線にある蒲生野(がもうの)がこの歌の舞台とされていることから、地域の人々にとって非常に馴染み深く、誇らしい名前だったのです。

いざ運行が始まると、「あかね号」は瞬く間に沿線のスターとなりました!
ここでは、現役時代に紡がれた、ちょっと心温まるエピソードや、現場の運転士さんたちの奮闘ぶりをご紹介しましょう!

「特急がやってきた!」と子どもたちが大はしゃぎ

近江鉄道は、普段は黄色や青色の、親しみやすい通勤型の電車が走るローカル線です。

そこに突如として、流線型のスマートな「あかね号」がやってくるわけですから、ホームで待つ子どもたちは大興奮!
「ママ、特急電車が来たよ!」と嬉しそうに叫んで乗り込む光景が、日常茶飯事のように見られました。

実はこの「あかね号」、豪華な車内でありながら、なんと追加料金なしの「普通運賃だけ」で乗ることができたんですよ!

毎日の通勤・通学で偶然この電車に当たった人たちは、まるで宝くじに当たったかのような幸せな気分で、贅沢なクロスシートに身を委ねていたそうです。

こんな素敵なサービス、本当に粋ですよね!

運転士さんの腕の見せ所!レトロな足回りを手懐けるプロの技

外見はピカピカで最新鋭の特急のようだった「あかね号」ですが、実は目に見えない「床下のメカニズム」は、西武鉄道時代の1960年代のレトロなシステムのままでした。

ブレーキや、モーターを制御する装置は、昔ながらの重厚な機械式。
そのため、運転士さんたちにとっては、最新の電車とは違った「独特の運転のコツ」が必要だったのです。

特に、近江鉄道線内には、ローカル線ならではの急カーブや、激しい勾配(坂道)がいくつもあります。

「見た目はスマートだけど、中身は昔気質の頑固親父みたいな電車なんだよ」と、運転士さんたちは愛情を込めて語っていました。

ブレーキをかけるタイミングや、加速するためのレバー(ノッチ)を入れる加減など、運転士さんの絶妙な職人技によって、あの滑らかで快適な乗り心地が守られていたのですね!

地域を結ぶ、様々なイベント列車としての活躍

「あかね号」はその美しい車体と広い車内を活かして、通常の運行だけでなく、数多くのイベント列車としても大活躍しました!
例えば、以下のようなユニークな企画が実施され、多くの笑顔を生み出しました。

  • 沿線の地酒を楽しむ「日本酒列車」(車内で滋賀の銘酒を飲み比べ!)
  • 夏の夜を涼しく彩る「ビール列車」(走る居酒屋として大人気!)
  • 地元の小学生を招待した「体験学習列車」(運転席を見学する子どもたちの目がキラキラ!)

観光客だけでなく、地元の人々の生活や思い出のすぐ傍らには、いつも「あかね号」の優しいあかね色が寄り添っていたのです。

【今に続く価値】老朽化による引退、そして受け継がれる「あかね」のソウル

どんなに愛された名車にも、いつかは別れの時がやってきます。
1960年代に造られた頑丈な車体も、2010年代後半になると、寄る年波(老朽化)には勝てなくなってきました。
部品の調達が難しくなり、車体のあちこちにも傷みが見え始め、メンテナンスを続けることが困難になってしまったのです。

そして2019年、近江鉄道から「700形あかね号、5月6日をもって営業運転終了」という、悲しい発表がなされました。
このニュースは、地元滋賀県内だけでなく、全国の鉄道ファンの間を駆け巡り、大きな衝撃を与えました。

涙と笑顔に包まれた、平成から令和をまたぐラストラン

引退の日となった2019年5月6日は、まさに平成から令和へと元号が変わったばかりのゴールデンウィークの最終日でした。
沿線や駅には、最後の勇姿を目に焼き付けようと、全国から数え切れないほどのファンや地域住民が集まりました。
ホームには「ありがとう あかね号」と書かれた手作りのプラカードを掲げる子どもたちの姿も。

多くの人々に見守られながら、ラストランの列車は静かに、そして誇らしげに終着駅へと滑り込み、21年間にわたる輝かしい歴史に幕を閉じたのです。

翌日の5月7日付で廃車となり、車体は惜しまれつつも解体されてしまいましたが、人々の心の中の「あかね号」は消えることはありませんでした。

驚きの継承!900形へ引き継がれた「あかね号」のDNA

「あかね号を、このまま思い出の中だけに閉じ込めておきたくない!」
そんな近江鉄道の熱い魂は、なんと素晴らしい形で未来へと受け継がれることになりました!

700形が引退する直前の2019年2月16日、近江鉄道の後輩車両である「900形(901編成)」が、突如としてあの懐かしいクリーム色とあかね色のツートンカラーに塗り替えられて登場したのです!

そして、700形が正式に引退した翌日の5月7日からは、この900形901編成が正式に「あかね号」の愛称とヘッドマークを継承しました!

形こそ現代的な3ドアの通勤電車になりましたが、その美しいカラーリングと、地域を愛し愛される「あかね」のスピリットは、今もなお現役で近江路を走り続けているんですよ!

この粋な計らいには、ファンからも「近江鉄道さん、ありがとう!」「あかね号は不滅だ!」と、大きな拍手が送られました。

【結びと提案】机の上で、あの懐かしい「あかね号」に再会してみませんか?

いかがでしたでしょうか?
近江鉄道700形「あかね号」は、単なる「古い電車の再利用」という枠を遥かに超えて、技術者たちの意地と情熱、そして沿線の人々の愛によって走り続けた、まさに「奇跡のローカル線ドリーム」を体現した車両でした。
これほどドラマチックな歴史を知ると、なんだか無性にあの美しい姿が恋しくなってきますよね!

そんなあなたに、お家でいつでも「あかね号」に会える、とっておきの楽しみ方をご提案します!
実は、この近江鉄道700形「あかね号」は、人気の鉄道模型シリーズ「Bトレインショーティー(バンダイ)」などで、非常に精密なNゲージサイズとして製品化されているんですよ!

職人さんたちが手作業で作り上げた、あの美しい流線型のフロントマスクや、アイボリーとあかね色の鮮やかなコントラストが、手のひらサイズで見事に再現されています。
机の上にレールを敷いて、ちょこんと置いてみるだけで、あののどかな滋賀県の田園風景が、お部屋の中にブワッと広がります!
お気に入りのローカル線の駅舎の模型なんかを横に並べて、のんびりと眺めながらコーヒーをすする時間は、まさに大人の至福の極みですよね!

ぜひ、ネットショップや近くの模型店で、この伝説の「魔改造ランナー」を探してみてはいかがでしょうか?
そして、機会があればぜひ、滋賀県を走る近江鉄道を訪れて、今もそのDNAを受け継いで走る「2代目あかね号(900形)」に揺られながら、かつて技術者たちが夢見た、熱い情熱の物語に思いを馳せてみてくださいね!

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