787系の逸話:JR九州の未来を切り拓いた「グレーの弾丸」誕生のドラマと今も輝くおもてなしの魂

※車両画像はイメージです。実車両とは異なることがあります。

787系の逸話:JR九州の未来を切り拓いた「グレーの弾丸」誕生のドラマと今も輝くおもてなしの魂

重厚感のあるガンメタリックの車体、近未来的なフロントマスク、そして一歩足を踏み入れると広がるホテルのような上質な空間……。

皆さんは、JR九州を代表する伝説の特急「787系」に乗ったことはありますか?

登場から30年以上経った今でも、九州の鉄路を元気に走り続けるこの車両ですが、実はそこには、当時の技術者たちやデザイナーの熱いドラマと、驚くべき開発秘話が隠されているんですよ。

この記事では、787系がなぜこれほどまでに人々を魅了し続けるのか、その誕生の裏側から知られざる運行の歴史、そして現代へ受け継がれるDNAまで、たっぷりとご紹介します!

この記事を読めば、次に787系を見たときや乗ったとき、感動が何倍にも膨らむこと間違いなしですよ!

あの日の衝撃をもう一度!近未来からやってきたダークグレーの衝撃

平成の幕開けとなった1992年、それまでの鉄道の常識を根底から覆す、とてつもなくカッコいい電車が九州の地に舞い降りました。

それが、今回主役としてご紹介する「787系」です!

漆黒とも言える深いダークグレーのボディは、まるでSF映画に登場する宇宙船や、ステルス戦闘機のようでしたよね。

駅のホームに滑り込んできたその姿を見て、当時の子供たちや鉄道ファンは、誰もが一瞬で心を奪われてしまいました。
もちろん、私もその一人なんですよ!

車内に一歩入れば、そこはまるで高級ホテルのロビーやラウンジのような気品に満ちていました。
「こんな素晴らしい特急が、これから九州を走るんだ!」という、あのワクワクした興奮は、今でも多くの人の胸に鮮明に残っているのではないでしょうか?

当時の勇姿を、まずは貴重な映像で振り返ってみましょう!
これ、何度見ても全身に鳥肌が立ってしまうほどドラマチックですよね!
では、この名車がなぜ誕生することになったのか、その時代背景から紐解いていきましょう。

ライバルは高速バス!民営化直後のJR九州が挑んだ「崖っぷちの反撃」

なぜ、JR九州はこれほどまでに個性的で豪華な「787系」を作る必要があったのでしょうか?

そこには、民営化直後のJR九州が直面していた、非常に厳しい現実と強烈な危機感があったのです。

1987年に国鉄が分割民営化され、新しくスタートを切ったJR九州。
しかし、当時の九州は「高速道路網の整備」が急速に進んでおり、安くて便利な高速バスやマイカーが、鉄道の強力なライバルとして立ちはだかっていました。

特に、博多から熊本、そして西鹿児島(現在の鹿児島中央)を結ぶ鹿児島本線は、ビジネス・観光ともに超重要ルートだったのですが、ここに高速道路が伸びていく中、鉄道のシェアは奪われる一方だったのです。

当時の主力車両は、国鉄から引き継いだ赤色塗装の「485系」という特急電車でした。
もちろん、485系も昭和を代表する素晴らしい名車なのですが、どうしても「古い」「旅行がワクワクしない」というイメージが拭えませんでした。

「バスやクルマに勝つためには、これまでの鉄道のイメージを180度変える、誰も見たことがないような新しい特急を作らなければならない!」

そんな、会社の未来をかけた熱い想いと決意が、787系誕生の最大の原動力となったわけですね!

常識破りのデザインと技術者たちの意地!「あえて」の選択が隠された開発秘話

ここからは、787系の開発に挑んだ技術者やデザイナーの、涙ぐましいドラマに迫っていきましょう!

787系を語る上で絶対に外せない人物といえば、言わずと知れた工業デザイナーの水戸岡鋭治(みとおか えいじ)さんですよね!
今ではJR九州のユニークな車両たちの生みの親として全国的に有名ですが、実はこの787系こそが、水戸岡さんが初めて「JR九州の特急車両を全面的にデザインした」記念すべき第一歩となった、歴史的な車両なんですよ!

水戸岡さんが目指したのは、単なる「移動手段としての電車」ではありませんでした。
「乗ること自体が旅の目的になるような、乗客が主役になれる劇場のような空間を作りたい!」

この熱い想いから、それまでの鉄道界の常識では考えられなかった、驚きのデザインや贅沢な設備が次々と提案されたのです。

しかし、これを実際の形にする技術者たちの苦労は、並大抵のものではありませんでした。
特に社内で大激論となったのが、あの特徴的な「ダークグレーのボディカラー」です!

それまでの日本の特急といえば、赤や青、白などの明るい暖色系が定番でした。
そこへ、水戸岡さんが提案したのは、なんと渋くて重厚なグレー。

国鉄時代からのベテラン技術者や役員たちからは、
「こんな暗い色にしたら、お葬式の車みたいに見えてしまうのではないか?」
「夜間に走るときに、暗くて危険ではないか?」
という猛反対の嵐が巻き起こったそうです。

しかし、水戸岡さんやプロジェクトチームは諦めませんでした。
「これまでにない未来感と、ヨーロッパの特急のような本物の質感を表現するには、この色しかない!」と、何度も説得を重ねたのです。

さらに、メタリックの質感を最大限に引き出すため、塗装の配合や、光の当たり方で表情を変える塗り方にも徹底的にこだわりました。

こうして完成したのが、あの気品あふれるガンメタリックの車体なんですね!
今見ても、全く古さを感じさせないどころか、時代を先取りしすぎていたことに驚きですよね。

また、技術的な面でも、あえて「一歩引いた決断」をした、技術者たちの素晴らしい判断があったのをご存知ですか?

当時、他のJR各社ではカーブを高速で通過できる「振り子式車両」や、新世代の「VVVFインバータ制御」を採用する動きが活発でした。

しかし、787系はあえて「振り子機構を搭載せず、制御方式もサイリスタ位相制御」という、実績のある信頼性の高い技術を採用したのです。

実は、この背景には「試作車(テスト用の車両)を作らず、最初から本番用の量産車をいきなり投入する」という、極めて過酷なスケジュールがありました。

高速バスとのシェア争いは一刻を争う状態だったため、開発をのんびり待っている時間はなかったのです。

もし、最先端の複雑なシステムを無理に導入して、初期トラブルで列車が止まってしまったら、せっかくの新しい特急の信頼は地に落ちてしまいます。

だからこそ技術者たちは、「絶対に壊れない、信頼性100%の技術」をベースにしながら、徹底的に乗り心地を高める工夫を凝らしました。

車体剛性を高め、揺れを抑える「ヨーダンパ」を台車に装備することで、振り子なしでも、従来の485系を大きく上回る最高時速130km/hでの超快適な走りを実現したのです!

目新しい技術に頼るのではなく、「極限の信頼性」と「最高峰のデザイン」の掛け算で勝負する……これこそが、787系に隠された究極の技術者魂だったのですね!

車内に広がる大人の社交場!「つばめレディ」とビュッフェが織りなした黄金期

1992年7月15日、ついに787系は特急「つばめ」として華々しくデビューを飾りました!

かつて東海道本線などで活躍した、国鉄最高の栄光あるヘッドマークである「つばめ」の名前が、17年ぶりに九州の地で復活したのです。

このニュースは日本中の鉄道ファンや地元の人々の間で、ものすごいお祭り騒ぎとなりました。
そして乗客たちを最も驚かせ、感動させたのが、車内に復活した伝説の設備、「ビュッフェ」でした!

新幹線や他の特急から、食堂車やビュッフェが効率化のために次々と姿を消していく時代に、JR九州は「旅の楽しさを提供するため」として、あえてこのサービスを導入したのです。

ドーム状の美しい高い天井、お洒落な半円形のカウンター、そして窓から流れる九州の美しい山々や有明海の景色……。
そこはまさに、走る大人の社交場でした。

ビュッフェで提供される温かい「つばめカレー」や淹れたてのホットコーヒー、九州産のデコポンジュースは、乗客の心に忘れられない極上の思い出を刻み込みました。

この素晴らしい空間で、航空会社の客室乗務員顔負けのきめ細やかなおもてなしを提供したのが、女性客室乗務員の「つばめレディ」の皆さんです!

彼女たちのプロフェッショナルな接客と、787系のゴージャスな設備が相まって、「つばめ」のブランド価値は、一気に日本一のレベルへと跳ね上がりました。

しかし、その華やかさの裏側では、運行現場のスタッフさんたちの涙ぐましい努力があったんですよ。
当時の現場エピソードをいくつか挙げてみましょう。

  • 揺れる車内での調理: 時速130km/hで走る車内で、熱い飲み物や食事を安全に、かつ美しく提供するための特別な訓練が重ねられていました。
  • 分刻みの食材の積み込み: 博多駅や西鹿児島駅での短い折り返し時間の間に、新鮮な食材やドリンクを完璧に積み込むため、地上スタッフと乗務員の見事な連携プレーが行われていました。
  • パズルのような柔軟な編成変更: 787系は人気が非常に高かったため、日によって4両から最大9両まで、編成の長さを頻繁に変える必要がありました。これをミスなく管理するのは、運行管理担当者にとって毎日が真剣勝負だったそうです。

こうした現場と開発陣の情熱が実を結び、787系は1993年に鉄道友の会「ブルーリボン賞」を受賞!

さらに「グッドデザイン賞」や、国際的なデザインコンペである「ブルネル賞」など、数々の名誉ある賞を総なめにしたのです。

まさに、名実ともに日本を代表する「看板特急」へと登り詰めたわけですね!

新幹線開業を乗り越えて!「AROUND THE KYUSHU」として九州の全域へ

時代は流れ、2004年に九州新幹線が新八代〜鹿児島中央間で部分開業を迎えました。
これに伴い、博多から新八代を結ぶ在来線特急として、787系は「リレーつばめ」へと役割を変えることになります。

この時の乗り換えシステムがまた、世界中を驚かせた画期的なものだったんですよ!

新八代駅の同じホームの右側と左側に、新幹線「つばめ」と在来線特急「リレーつばめ」が並んで停車し、乗客は階段を使うことなく、わずか数歩で乗り換えができるという、究極にスムーズな対面乗り換えを実現したのです。

新幹線に負けない快適性を提供するため、787系はさらにリニューアルされ、より高級感のある「DX(デラックス)グリーン席」なども新設されました。

新旧の「つばめ」がホームを挟んで手を取り合う姿は、まさにJR九州のチームワークの結晶でしたよね!

そして2011年、ついに九州新幹線が博多まで全線開業を迎えます。
これにより、伝統の「つばめ」の名は新幹線へと完全に引き継がれ、787系は本来の役目を終えることになりました。

「これで、787系も引退へのカウントダウンが始まるのかな……」
多くの鉄道ファンがそう心配したのですが、そこはさすが、万能特急の787系です!

JR九州は、140両という大所帯のこの車両を、九州全体の特急ネットワークを支える「新たなるエース」として再出発させる決断をしました。

車体には、新しく「AROUND THE KYUSHU(九州の周りで)」という赤いロゴマークが誇らしげに刻まれ、その活躍の場を九州全土へと一気に広げたのです!

現在は、どのような列車で活躍しているのか、主な運行路線をリストにしてみました。

  • 特急「にちりん」「ひゅうが」「きりしま」: 日豊本線を縦断し、大分や宮崎、鹿児島をトコトコ走る、東九州の大黒柱!
  • 特急「きらめき」: 鹿児島本線の通勤・ビジネス需要を支える、頼もしい仕事人!
  • 特急「かささぎ」「リレーかもめ」: 西九州新幹線開業に伴い、佐賀や長崎方面へのアクセスを支える俊足ランナー!
  • 特急「みどり」「かいおう」: 佐世保線や福北ゆたか線など、様々な路線でマルチに活躍中!

これ、本当にすごいことだと思いませんか?

デビューから30年以上経ったベテラン車両でありながら、今でも九州の主要幹線のほぼ全てで特急として第一線で走り続けているのです!

残念ながら、時代の変化とともにビュッフェの営業は終了し、座席へと改造されてしまいましたが、あの高いドーム天井や、丸みを帯びた通路スペースは当時のまま残されています。
乗車した際には、ぜひその名残を探してみてくださいね!

伝説のビュッフェが奇跡の大復活!黒い弾丸「36ぷらす3」への華麗なる転身

787系の進化は、これだけでは終わりません!

なんと2020年、この787系をベースにした、とんでもなく豪華な新しい観光列車が誕生しました。
それが、九州を5つのルートで1週間かけてぐるりと巡る、D&S(デザイン&ストーリー)列車「36ぷらす3」です!

車体はこれまでのガンメタリックから、ピアノのように艶やかに輝く「漆黒のメタリックブラック」へとお化粧直しされました。

そして何よりの驚きは、車内の贅沢すぎる仕様です!

1号車から6号車までの全車がグリーン席で、車内には「畳敷き」の個室や、九州の伝統工芸である「大川組子(おおかわくみこ)」がふんだんにあしらわれた美しい内装が広がっています。

そして、かつて惜しまれつつ姿を消した、あの「ビュッフェ(3号車)」が、モダンでスタイリッシュなカウンターとして見事に大復活を遂げたのです!

そこでは、九州各地の美味しい地酒やクラフトビール、おつまみやスイーツが提供され、乗客同士や添乗員さんとの楽しい会話が弾む、最高の空間となっています。

かつて1992年に「つばめ」としてデビューした際に、技術者や水戸岡さんが夢見た「乗ること自体が旅の目的になる、劇場のような特急」というコンセプトが、約30年の時を経て、この「36ぷらす3」という究極の形へと見事に昇華されたわけですね!

古いものをただ壊すのではなく、その素晴らしいDNAを現代の形へとアップデートして受け継いでいく……JR九州の車両に対する深い愛とおもてなしの魂には、本当に頭が下がる思いです。

歴史を感じる楽しみ!お部屋の中で787系の「世界」を再現してみよう

ここまで787系の熱いドラマをたっぷりとお届けしてきましたが、いかがでしたでしょうか?
「記事を読んでいたら、無性に787系に会いたくなってきた!」
「あの渋いガンメタリックの車体をじっくり眺めてみたい!」
そんな風に思ったあなたに、最高の楽しみ方をご提案します!
それは、鉄道模型(Nゲージ)で、自分だけの「787系ワールド」をお部屋に再現することです!
鉄道模型メーカーの「KATO(カトー)」さんなどからは、非常にハイクオリティな787系の模型が各種発売されているんですよ。

模型の素晴らしい見どころを、いくつかご紹介しますね。

  • 本物そっくりの塗装: 光の当たり方によってグレーにもシルバーにも見える、あの繊細なガンメタリックのボディが見事に再現されています!
  • 屋根上の緻密なディテール: 交流電車ならではの複雑なパンタグラフ周りの配線や、白いガイシ(絶縁体)の美しさは、思わずため息が出るほどの精巧さです!
  • 豊富な編成バリエーション: デビュー当時の9両編成「つばめ」から、現在の「AROUND THE KYUSHU」仕様、そして圧倒的な存在感を放つ漆黒の「36ぷらす3」まで、お気に入りの時代を選んで走らせることができます!

お部屋の電気を少し暗くして、模型の車内に「室内灯」を組み込んで走らせてみてください。
あの特徴的なセミコンパートメントや、ビュッフェの窓から漏れる温かい光が、自室の机の上にロマンチックに浮かび上がります。
「かつてあのビュッフェでは、どんな旅人たちが語り合っていたんだろう?」
そんな想像を膨らませながら、お気に入りの九州の焼酎やコーヒーを片手に、静かに走るグレーの弾丸を眺める時間は、まさに大人のための極上の贅沢ですよね!

ぜひ、あなたも787系という唯一無二の名車が紡いできた歴史に想いを馳せながら、模型で、あるいは本物の九州の旅で、その素晴らしい「おもてなしの心」を肌で感じてみてくださいね!

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